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(29日、高校野球宮崎大会 富島4―0小林西)
 宮崎大会初優勝に導いた富島のエース黒木拓は粘った。四回まで毎回得点圏に走者を背負ったが、スライダーを軸にコースを突いた。終盤からは投げ方をスリークオーターから横手にして目先を変え、被安打4。準決勝から2試合連続で完封した。大会を通じても5試合で42回を投げ、自責点は0(5失点)と、本人も「びっくり」と言う内容だった。
 昨冬に右ひじ手術後、30キロの重りなどで手首と握力を鍛えたことで変化球の切れが増し、球速も140キロ超え。今夏は初戦で昨夏代表の日南学園を破り、宮崎の公立校で7年ぶりとなる夏の甲子園出場の立役者となった。
 昨春初出場した選抜大会では星稜(石川)との初戦に2番手で投げ、自責点は0。大敗したが「奥川投手とまた投げ合いたい。目標は甲子園1勝」。借りを返しに初めての夏に挑む。(甲斐弘史)